前回コラムからシアル酸を紹介しています。今回のコラムでは、シアル酸で修飾された糖鎖について紹介したいと思います。
哺乳類を例に紹介しますと、シアル酸は糖タンパク質、糖脂質を修飾する糖鎖の非還元末端に存在し、様々なタンパク質と相互作用することで生理機能を発現します。
糖タンパク質は、以前のコラムでも紹介したように、糖鎖がタンパク質のアスパラギン側鎖に結合したN-結合型糖鎖、セリン/スレオニンの側鎖に結合したO-結合型糖鎖として存在しています。N-結合型糖鎖では、下記図(2 分岐型糖鎖)に示すように非還元末端ガラクトースの 6 位あるいは 3 位に結合しています。
O-結合型糖鎖では、シアル酸がN-アセチルガラクトサミンの 6 位に結合した Sialyl Tn、Core1 (T) に結合したSialyl T、Core1 に結合した DiSialyl T の構造が見られます。
糖脂質では、シアル酸はガングリオシドなどの糖鎖非還元末端にα2,3結合しています。下記図ではSialyl Lactose を例として示します。
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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析