第5話 O-結合型糖鎖とは

 前回の第4回コラムでは、N-結合型糖鎖について紹介しました。今回は、「O-結合型糖鎖」について紹介していきます。O-結合型糖鎖は、N-結合型糖鎖と同様にタンパク質に結合している糖鎖になります。N-結合型糖鎖はアスパラギン側鎖に結合していましたが、O-結合型糖鎖はスレオニン (Thr) やセリン (Ser) 側鎖の水酸基に結合しています。N-結合型糖鎖においてアスパラギンに結合する糖の種類は N-アセチルグルコサミン (GlcNAc) のみですが、O-結合型糖鎖では GlcNAc、N-アセチルガラクトサミン (GalNAc)、フコース (Fuc)、マンノース (Man)、キシロース (Xyl) など様々な糖が結合しています。また、その結合様式はα、β型の結合両方が存在しています。図1 に ムチンなどに見られる O-結合型糖鎖を示します。GalNAc がα結合でアミノ酸 (Ser or Thr) 側鎖に結合しています。O-結合型“糖鎖”という名称の通り、このGalNAc を起点として、ガラクトース、N-アセチルグルコサミン、シアル酸などが付加し、Core 1、2・・・と呼ばれる糖鎖が作られます。これらの生合成については別のコラムで紹介しようと思います。

図 1  O-結合型とは

 その他のO-結合型糖鎖には図 2 に示すような、O-GlcNAc 修飾、Notch 受容体、筋ジストロフィー、プロテオグリカンなどに見られるようなものがあります(これらの詳細についてはまた別のコラムにて)。O-結合型糖鎖は疾患に直接関連したもの、機能を持ったものが多く創薬、診断、研究対象として非常に魅力的な糖鎖であると言えます。

図 2 様々なO-結合型糖鎖

 弊社ではタンパク質に結合したO-結合型糖鎖を解析する受託サービスO-結合型糖ペプチドを合成するためのアミノ酸ビルディングブロックを試薬販売サービスとして提供しています。弊社では質量分析装置を使用したサービスで、お客様の試料中に含まれる糖鎖構造について、糖鎖プロファイル、内部標準を基準とした糖鎖定量解析データをご提供いたします。O-結合型糖鎖を合成するための糖アミノ酸ビルディングブロックでは様々種類の合成に対応できるように幅広いラインナップを取り揃えております。また、HPLC、質量分析に使用可能な蛍光ラベル化したO-結合型糖鎖標品や免疫用の糖ペプチド、糖鎖誘導体も受託合成にて対応可能です。まずはお問い合わせフォームより、お気軽にお見積りをご依頼ください。

 

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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析

  • 試薬販売
  • 質量分析装置を用いた糖鎖解析
  • 蛍光ラベル化単糖組成解析
  • NMRを用いた糖鎖解析
  • 糖誘導体合成と糖鎖合成
  • タンパク質品質管理