第 44 話 多糖の世界 セルロース

 今回のコラムから多糖シリーズとして、多糖の構造とその機能について紹介していきます。

 多糖の一種セルロースは、樹木や植物の細胞壁、繊維を構成している主成分であり、地上で最も豊富な炭素源です。セルロースは、グルコースがβ1,4結合で重合したホモポリマー多糖です。グルコースが180°回転して結合しているため、直鎖状の構造(1次構造)をとっています(下図)。

 セルロースは分子特性上、1次構造で存在することは少なく、水素結合と疎水相互作用によって分子鎖がパッキングされ、結晶などの高次構造をとっています。このセルロースの分子鎖が束になったものはセルロースミクロフィビリルと呼ばれ、組織内でさらに束になることでセルロース繊維を形成します。

 セルロース繊維を解繊することで調製されたセルロースナノファイバーは、軽量、高強度、生分解性、生体適合性という特性から、化粧品、医療品、フィルター、バリアフィルム、光学材料、電子材料など様々な分野での用途が期待されています。

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