第 17 話 細菌の糖鎖 ~グラム陰性菌 その2

 前回のコラムからグラム陰性菌を扱っています。今回のコラムではグラム陰性菌の持つ糖鎖構造について掘り下げていきたいと思います。

 前回のコラムではグラム陰性菌は細胞外膜にO抗原、コア糖鎖、LipidA からなる糖脂質 LPS の構造を紹介しました。コア糖鎖には細菌特有の糖である Heptose、KDO が存在し、各種グラム陰性菌に確認することができます。コア糖鎖は保存領域と呼ばれることからも、菌種間である程度似た構造を持っています。下記に淋病を引き起こす Neisseria gonorrhoeae の、髄膜炎や敗血症を引き起こす Haemophilus influenzae の、胃腸炎やギラン・バレー症候群を引き起こす Campylobacter jejuni のコア糖鎖を示します。

NG_LPS

 

Haemo_LPS

 

Campylo_LPS

 引き起こす疾患は全く異なりますが、各菌種間で非常に似た糖鎖構造を有しているのがわかります。Lipid A とコア糖鎖をつなぐ KDO、そこから数個の Heptose、そしてHeptose から Lactose 構造、それに続くLacNAc 構造あるいはGal、Glcなどの中性単糖が付加します。これらの糖鎖構造は、緻密なサンプルプレップ、NMR、GCMS、HRMS、Dionex などを駆使して同定されています。また、構造解析の結果からユニークな構造が明らかとなり、ワクチンなどのターゲットとして合成研究が行われてきた歴史があります。

  弊社では、熟練した技術と豊富な経験、知識を持った研究員による受託解析サービス合成サービスを実施しております。熟練した技術に基づく分析サンプル調製、HPLC質量分析NMR などの機器を駆使することで、種々の目的に応じた解析に対応しています。受託合成においては、蓄積した各種知見、ノウハウなどを駆使し様々なターゲットの合成実績がございます。まずはお気軽に御相談ください。ご予算に応じてベストなご提案をさせていただきます。

 

 

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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析

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