第 15 話 細菌の糖鎖 ~序論

 今回のコラムから、微生物の糖鎖について触れていきたいと思います。ここで言う細菌とは、グラム染色で染まるか否かで分類される、グラム陽性菌、陰性菌になります。  「細菌と糖鎖」というテーマですが、細菌と糖鎖がそんなに関係があるのか?答えはイエスです。グラム陽性菌、グラム陰性菌ともに糖鎖とは深い関係があります。グラム陽性菌はペプチド“グリカン”と呼ばれる厚い糖ペプチド層を菌体表面に持っています。一方、グラム陰性菌は陽性菌と違い、内膜、外膜という2つの膜を持ち、薄いペプチドグリカン層を持ちます。グラム染色液に染まるかどうかは、このペプチドグリカン層の厚さが影響しています。グラム陰性菌は、細胞外膜にリポオリゴ糖 (Lipooligosaccharide: LOS)、リポ多糖(Lipopolysaccharide: LPS)と呼ばれる糖脂質を持っています。“リポ”に相当するのは Lipid A と呼ばれる脂質鎖を持つ分子で、Lipid A に結合している糖鎖の長さによって“オリゴ”か“多糖”の名称が使用されます。グラム陰性菌では、この糖鎖部分が生きていく上で非常に重要な役割を果たしています。  次回からのコラムでは、細菌における糖鎖の構造、機能について感染症の視点から紹介していきたいと思います。 

 

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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析

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