第7話 実験室で糖鎖を作る ~序論

 前回の第 6 回糖鎖コラム「糖鎖が作られる仕組みとは ~生み出される不均一性」で、生体内での糖鎖が作られる仕組みを簡単にご紹介しました。糖転移酵素とそれに対応する糖供与体、糖受容体(基質)の全てが揃った時に糖の伸長が起こる、すなわち糖鎖が作られる、というものでした。今回のコラムでは、実験室で糖鎖を合成するためにはどのような方法があるのか、さわり部分をご紹介いたします。今後のコラムで各方法については詳細にふれていく予定です。  

 糖鎖を作る方法は、 ① 化学合成法 ② 酵素法 ③ 化学酵素法 の 3 つに大別することができます。 当然ですが、それぞれの方法でメリット、デメリットがあります。 どの方法を選択するかは、標的の糖鎖配列、かかるコスト、実験施設、要素技術の有無など様々な要因によりますが、一番は目的とする糖鎖合成ができるかどうかによります。 糖鎖を作るということは、糖と糖をつないでいき目的となる長さまで伸ばしていく作業になります。糖鎖コラム 2「 糖鎖を構成する糖」でもふれましたが、糖には多数の水酸基(OH) があり、α、β と呼ばれる結合様式が存在します。糖鎖を作るためには、“特定の水酸基=位置選択的”に“特定の結合様式=立体選択的”で繋げていく必要があります。この位置選択的、かつ立体選択的に糖鎖を作ることを前提に、ラボの機器、スキル、予算に応じて最適な方法を選択することになります。次回のコラムより、各方法について紹介していきたいと思います。  

 弊社では、熟練した技術と豊富な経験、知識を持った研究員による受託解析サービス合成サービスを実施しております。熟練した技術に基づく分析サンプル調製、HPLC質量分析NMR などの機器を駆使することで、種々の目的に応じた解析に対応しています。受託合成においては、蓄積した各種知見、ノウハウなどを駆使し様々なターゲットの合成実績がございます。まずはお気軽に御相談ください。ご予算に応じてベストなご提案をさせていただきます。

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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析

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