抗体作製受託 GANP®高親和性・高特異性

GANP®高親和性抗体作製

抗体作製

モノクローナル抗体作製

弊社では、高親和性、高特異性の抗体取得が期待されるGANP®マウス技術によるモノクローナル抗体作製受託サービスを提供しています。
GANP®マウスとは、抗体の可変領域により多くの変異が入りやすい遺伝的背景を持ったマウスであり、GANP®マウスを用いて抗体を作製することで、野生型マウスを用いる場合と比較すると、突然変異が多く入り親和性や特異性が高い抗体の取得が期待できます。
分子上の小さな違い(アミノ酸1残基)を識別する抗体、小さい分子(低分子化合物)を認識する抗体、中和抗体、ファミリー分子を個別認識する抗体、アミノ酸修飾を認識する抗体などの抗体作製、診断薬や抗体医薬の開発への展開などをご検討の場合、本サービスは有効です。
GANP®マウス技術による抗体作製は、バイオ系企業をはじめ大学・研究機関の研究者の方々や抗体受託メーカー、メガファーマから大変好評を得ております。
また弊社では、腸骨リンパ節法による抗体作製サービスも提供しております。この方法とGANP®マウスを併用することで、従来法より短期間かつ少量の抗原で、GANP®マウスによる抗体作製を実施できます。さらにGANP®マウスと併用するサービスもご提供しています。
また、ライセンスフリーであるBALB/cマウスを用いた抗体作製も提供可能です。

原理

作業概要・価格

弊社のモノクローナル抗体作製サービスの特徴

突然変異が多く入ることから、
小さい分子(低分子化合物)あるいは分子上の違い(アミノ酸1残基)が識別可能な
高い親和性高い特異性を持つモノクローナル抗体の単離が可能

GANP®マウス技術

原理

GANP(GANP:Germinal Center Associated Nuclear Protein)とは、・・・

胚中心のB細胞で発現上昇する新規核内因子として、阪口薫雄教授(熊本大学)らにより発見されました。このGANPを高発現するトランスジェニックマウス(GANP®マウス)では、通常の野生型マウスと比較して、胚中心B細胞において、抗体可変領域に多くの体細胞突然変異が誘発されます。それにより、多様性豊かな抗体産生細胞が出現し、親和性や特異性の高い抗体を得られる可能性が広がります。

原理

腸骨リンパ節法とは、・・・

従来の手法(脾臓法)では複数回の免疫を行い、腫大した脾臓をB細胞の由来とし抗体産生細胞を取得します。それに対し、腸骨リンパ節法では尾根部に1回免疫を行い、B細胞の由来としてリンパ節細胞を用いる手法で、重井医学研究所により開発されました。
腸骨リンパ節法を用いると、脾臓法と比較し、少量の抗原で、かつ短期間での実施が可能です。
弊社ではGANP®マウスとの併用も可能であるため、抗体取得までのプロセスに選択肢が増えることとなります。
詳しい仕様内容は下記の作業概要・価格、またはお問合せください。

  従来法 腸骨リンパ節法
免疫場所 皮下または腹腔 尾根部
免疫回数 3~5回
(力価により追加免疫)
1回
免疫抗原(タンパク)必要量例
(他の抗原についてはご相談ください)
初回(120μg)+追加免疫分
(50μg)が必要、力価確認(10μg)
1回分のみ(125μg)
B細胞由来 マウス脾臓 腸骨リンパ節
免疫から細胞融合までの期間 5~9週間 17日間

< 参考文献 >
■Nature Communications 4, Article number:1830 | doi:10.1038/ncomms2823 | Received 15 October 2012 | Accepted 28 March 2013 | Published 07 May 2013
GANP regulates recruitment of AID to immunoglobulin variable regions by modulating transcription and nucleosome occupancy
Shailendra Kumar Singh, Kazuhiko Maeda, Mohammed Mansour Abbas Eid, Sarah Ameen Almofty, Masaya Ono, Phuong Pham, Myron F. Goodman & Nobuo Sakaguchi

■Blood. 2000 Apr 1;95(7):2321-8.
A novel nuclear phosphoprotein, GANP, is up-regulated in centrocytes of the germinal center and associated with MCM3, a protein essential for DNA replication.
Kuwahara K, Yoshida M, Kondo E, Sakata A, Watanabe Y, Abe E, Kouno Y, Tomiyasu S, Fujimura S, Tokuhisa T, Kimura H, Ezaki T, Sakaguchi N.

■Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 January 27; 101(4): 1010-1015.
Germinal center-associated nuclear protein contributes to affinity maturation of B cell antigen receptor in T cell-dependent responses
Kazuhiko Kuwahara, Satoru Fujimura, Yoshimasa Takahashi, Naomi Nakagata, Toshitada Takemori, Shinichi Aizawa, and Nobuo Sakaguchi

■J Immunol. 2005 Apr 15;174(8):4485-94.
Generation of high-affinity antibody against T cell-dependent antigen in the Ganp gene-transgenic mouse.
Sakaguchi N, Kimura T, Matsushita S, Fujimura S, Shibata J, Araki M, Sakamoto T, Minoda C, Kuwahara K.

■Biochem Biophys Res Commun. 2008 Jan 4;365(1):22-8.
Production and characterization of a monoclonal antibody against GPR40 (FFAR1; free fatty acid receptor 1).
Hirasawa A, Itsubo C, Sadakane K, Hara T, Shinagawa S, Koga H, Nose H, Koshimizu TA, Tsujimoto G.

■J Biol Chem. 2009 Oct 16;284(42):29041-9.
Prolyl 4-hydroxylation of alpha-fibrinogen: a novel protein modification revealed by plasma proteomics.
Ono M, Matsubara J, Honda K, Sakuma T, Hashiguchi T, Nose H, Nakamori S, Okusaka T, Kosuge T, Sata N, Nagai H, Ioka T, Tanaka S, Tsuchida A, Aoki T, Shimahara M, Yasunami Y, Itoi T, Moriyasu F, Negishi A, Kuwabara H, Shoji A, Hirohashi S, Yamada T.

■J Biol Chem. 2010 Jul 30;285(31):23945-53.
GANP-mediated recruitment of activation-induced cytidine deaminase to cell nuclei and to immunoglobulin variable region DNA.
Maeda K, Singh SK, Eda K, Kitabatake M, Pham P, Goodman MF, Sakaguchi N.

<GANP関連特許 >
■GANP蛋白質(GANP PROTEIN)
日本(特許番号:JP4426728)
米国(特許番号:US6,673,913、US6,825,020、US7,138,509、US6,943,237)
カナダ(特許番号:2,365,020)

■GANP遺伝子導入トランスジェニック哺乳動物及びその利用
(TRANSGENIC MAMMAL CARRYING GANP GENE TRANSFERRED THEREINTO AND UTILIZATION THEREOF)
日本(特許番号:4478577、JP5080597)
米国(特許番号US7,919,674)
欧州(特許番号:EP1559318)
中国(特許番号:ZL200380102832.4、ZL200710193915.9)
香港(特許番号:HK1124363B)
韓国(特許番号:KR941905)
カナダ(特許番号:2,504,867)
オーストラリア(特許番号:AU2003277620)

<腸骨リンパ節法特許 >
■マウス腸骨リンパ節を用いたモノクローナル抗体の作製
日本(特許番号:JP4098796)

実施例1 大きな分子の中のプロリン残基(1残基)の水酸化修飾を識別する抗体

当社で実施した新規膵がんマーカーに対する抗体作製

分子上の小さい違いを識別

水酸化プロリン修飾型α-フィブリノゲン抗体は、独立法人国立がん研究センターにて見出された新規の膵がんマーカーです。この新規膵がんマーカーに対する抗体は、既存の野生型マウスでは得られませんでしたが、当社の保有するGANP®マウスを用いることで、プロリン残基の水酸化修飾を識別する非常に特異性の高い抗体を得ることができました。

新規膵がんマーカーに対する抗体

水酸化プロリン修飾型α-フィブリノゲン抗体は、2009年6月に日本(特許第4319700号)にて特許が成立しております。当該特許成立に際しましては、特許庁の「スーパー早期審査請求制度」を利用し、早期権利化を図りました。
スーパー早期審査請求制度を利用したバイオ系企業は弊社が初めてです。詳しくはコチラ

実施例2 低分子化合物に対する抗体の特異性

当社で実施した抗ジアセチルスペルミジン抗体作製

小さい分子を識別

ジアセチルスペルミジンは、ポリアミンの一種で分子量200~300、本抗体を得るため使用した抗原diacetyl spermidine(グラフ中青色)とは別に非常に分子量・構造の似た分子が2つN8-acetylspermidine,(N1-Acetylspermidineグラフ中の緑色、赤色)知られています。
GANP®マウスを用いて得られた抗ジアセチルスペルミジン抗体は、BALB/cマウスから得られた抗体と比較しておよそ5倍の特異性が認められました。

抗低分子化合物に対する抗体の特異性

本抗体を用いたELISAキットを販売しています。詳しくはコチラ

実施例3 4-hydroxy-3-nitrophenyl acetylに対するモノクローナル抗体の親和性比較

GANP®マウスと野生型マウス(C57BL/6)から得られるモノクローナル抗体の親和性の違いを見るために、4-hydroxy-3-nitrophenyl acetylに対するモノクローナル抗体を得ました。その結果、GANP®マウスから得られたモノクローナル抗体は野生型マウスと比較して高い親和性を示しました。

GANPマウス(C57BL/6系統) 野生型マウス(C57BL/6系統)
Clone 結合定数(KD Clone 結合定数(KD
NP-G2-6 7.05×10-8 NP-W2-7 1.51×10-7
NP-G2-9 3.24×10-8 NP-W1-116 1.00×10-8
NP-G2-12 4.92×10-8 NP-W-1B9 1.24×10-8
NP-G2-14 2.51×10-8 NP-W-2D8 2.74×10-8
NP-G2-15 1.10×10-7    
NP-G2-16 4.12×10-8    
NP-G-2E4 1.57×10-9    

Sakaguchi et al. 2005 Journal of Immunology

実施例4 抗HIVウイルス 抗体の親和性比較

ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の膜上の糖タンパク質として知られているgp120を標的としました。Gp120の一部(24アミノ酸)を人工的に合成し、KLHコンジュゲート体して免疫抗原としモノクローナル抗体を得ました。その結果、GANP®マウスからはC57BL/6系統、BALB/cマウスと比較して非常に親和性の高いモノクローナル抗体を得ることができました。

GANPマウス(C57BL/6系統) 野生型マウス(C57BL/6系統) BALB/cマウス
Clone 結合定数(KD Clone 結合定数(KD Clone 結合定数(KD
G1-22 1.77×10-6 W1-2 9.81×10-8 B1-10 5.68×10-9
G1-68 4.81×10-7 W1-7 3.11×10-9 B2-24 1.64×10-7
G1-124 1.01×10-6 W1-8 7.58×10-8 B2-27 4.97×10-6
G1-165 1.14×10-7 W1-10 1.83×10-8    
G1-181 1.09×10-8 W1-21 9.70×10-8    
G1-231 2.07×10-6 W1-43 8.25×10-9    
G2-10 9.90×10-11 W1-45 5.89×10-9    
G2-25 1.51×10-10 W1-63 5.67×10-9    
    W1-84 2.81×10-5    

Sakaguchi et al. 2005 Journal of Immunology

Gp120はCD4細胞に感染する時に必須なタンパク質です。GANP®マウスから得られた抗体のうち結合定数の高い2つのモノクローナル抗体は、低濃度において非常に高い中和活性を持つ事が明らかになりました。

原理Sakaguchi et al. 2005 Journal of Immunology

作業概要・価格

脾臓法

工程 作業内容 標準期間 価格(税別)
01. マウスへの免疫 3~4ヶ月
応相談
マウス血清の力価確認
02. 細胞融合 2ヶ月
応相談
スクリーニング
03. 培養上清の調製と送付
応相談
04. クローニング 2ヶ月
応相談
ハイブリドーマの凍結納品

腸骨リンパ節法

工程 作業内容 標準期間 価格(税別)
01. マウスへの免疫 3~4ヶ月
応相談
細胞融合
スクリーニング
02. 培養上清の調製と送付
応相談
03. クローニング 2ヶ月
応相談
ハイブリドーマの凍結納品

ELISA以外でのスクリーニングや抗体作製後の精製・標識などもオプションとして承ります。
ご希望内容に沿って仕様内容を提案させて頂きます。

オプション ウエスタンブロットでのスクリーニング 応相談
オプション 競合ELISAでのスクリーニング 応相談
オプション 他、ご希望の評価系構築 応相談
オプション 精製抗体の調製、抗体標識 など

※該当ページを参照ください。

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