第 25 話 O-結合型糖鎖を解析する タンパク質からのO結合型糖鎖の切り出し

前回のコラムから、O-結合型糖鎖の解析編を始めました。今回のコラムでは、O-結合型糖鎖をタンパク質から切り出す方法について紹介したいと思います。

 第 5 話で紹介しましたが、O-結合型糖鎖は糖がα、あるいはβ結合でアミノ酸の Ser、Thr に結合しています。Ser/Thr に結合している糖としては、下記のようにGalNAc、Fuc、Man、GlcNAc、Xyl などがあります。

 O-結合型糖鎖をタンパク質から切り出す方法としては、万能型の酵素が存在しないため、化学的に切り出すしかありません。アルカリβ脱離法、無水ヒドラジン分解法が古くから行われています。アルカリβ脱離法では副反応(ピーリング反応)を防ぐための還元剤によってアルジトール体が生じ、取り扱いに注意を要することが知られています。また、無水ヒドラジン分解法では、使用する試薬自体に危険性があるだけでなく、糖鎖のN-アセチル基脱離、N-グリコリル基の脱離が起こるため糖鎖構造帰属の正確性に問題を抱えています。試薬の扱いやすさ、副反応の少なさからカルバミン酸アンモニウムのようなアンモニウム塩粉末を使用した方法も報告されています。また、近年北海道大学古川先生の研究グループから、より副反応の少ない O-結合型糖鎖の切り出し方法が報告されています。

 N-結合型糖鎖では、温和な条件下PNGaseF でサンプル中のタンパク質糖鎖を切り出すことができますが、O-結合型糖鎖は前述のように化学反応で実施するため、生体試料など夾雑物が多いヘテロな系でタンパク質に結合した糖鎖を全て切り出すことに成功しているかどうかを検証する必要があると考えます。検証する術が無い(設備or技術etc)場合は、ラボ等で決まった反応条件・設定(基質濃度、pH etc)で切り出しの確実性をあげることにつながります。

 弊社では、熟練した技術と豊富な経験、知識を持った研究員による受託解析サービス合成サービスを実施しております。熟練した技術に基づく分析サンプル調製、HPLC質量分析NMR などの機器を駆使することで、種々の目的に応じた解析に対応しています。受託合成においては、蓄積した各種知見、ノウハウなどを駆使し様々なターゲットの合成実績がございます。まずはお気軽に御相談ください。ご予算に応じてベストなご提案をさせていただきます。

 

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筆者プロフィール
naruken
博士(理学)北海道大学大学院理学研究科
専門:糖鎖工学、タンパク質工学、構造解析

 

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